アコースティックギター製作家 杉田健司とそのスタッフによるギター製作やリペア作業の様子を紹介

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気温差40℃

杉田です。またブログさぼってしまいました。
あまりにも多岐にわたりいろんな事があったり、重大な決断が必要だったりでけっこう大変です。まあ、暇よりいいか?
で、報告が大幅に遅れたマイアミ・ギター・ショー(4/11〜13)ですが、一足先に夏休みを満喫してきた感じです。

dsc01856で、それから二週間後(4/26〜30)は大日小屋を雪の下から掘り出しにいってきました。(正確に言えばちょっと違うけど)この5メートルぐらい雪の下に小屋があります。詳しくは大日小屋ブログで。

dsc01947

ハックショイ!

dsc01771花粉症の季節が始まったようです。うちでは藤井も花粉症のはずなのに早速症状が出はじめたのは僕だけ。なんだかくやしい。
カレラOですが、前回作を踏まえて作っています。今回はカレラシリーズ恒例のカッタウェイコンターを入れたのですが、指板脇からのラインのつながりとかネックヒールとカッタウェイとのつながりが頭の中で考えていたより意外とやっかいな問題もあったぞ。
昨日カレラをシースルーブラックの着色で・・というリクエストがあった。カッコイイと思うけど手工品で着色はありえないでしょーと今まで思ってきたけど、なぜありえないのか?それは偏見ではないのだろうか?と考えはじめているところです。思い切ってやってみようかなあ。
あ。僕、着色が苦手だったっけ。だから今までエレキギター作って来なかった事わすれてた。

完成していたのだ

新作 Carrera O-14 !カレラ・O が完成しました。
完成したと言っても一個体が出来ただけで、製品としてひとつのモデルとして完成したわけではありません。音についてもデザイン面でももっと煮詰めていかなければ!カレラシリーズだからって単にサイズダウンすれば良いわけじゃないもんなあ。

カレラ・SJで、カレラ・SJ も完成しています。最初にこのカレラ・SJ を作ってから二年以上経つけど今でも気になる所もあり、また少しずつ進化(変化?)しています。そのなかで今回のSJを作り始めた頃から内部のブレーシングの仕方、剛性について大きく見直していました。多分他人が見たら「何がそんなに大きく変わったの?」と思われるかもしれませんが自分自身では相当変わったのです。ここ数年疑問に思っていた事が少し解りかけてきたようです。

そして Carrera OOO

お待たせしておりますオーダーいただいているカレラ・トリプルオーです。
最も厳選されたアディロンダックスプルースにハカランダ、ワンピースのホンジュラスマホガニーネックというよだれが出そうな仕様なので、作業中ギターによだれを垂らさないように注意しなければなりません。
指板のポジションマークを視認性の良いものでとのオーダーで色々考えて作っているところなのですが、これで良かったのかまだ悩んでいるところです。

Carrera O もうすぐです

Carrera 0 プロトタイプ。PG デカイかなあ?カレラOプロトタイプはブリッジが付いてもうすぐ仮組みにはいります。
ヘッドを小さくし、糸巻きはミニタイプの物にしたのですが、糸巻きの配置とかもう少し検討が必要だなあ。
ところでこれは14フレット仕様です。ゆくゆくは12フレットも作ろうと思っているのですが、先ずは14フレットです。理由はこんなギター。自分が欲しかっただけ。

今日もスキー

今日は午後から子供とスキーでした。午前中は子供達、宿題が出来ていなかったため外出禁止&お説教。自分が子供の頃、全く勉強もせずスキーに明け暮れて居たくせに「我ながらよく言うわ」と心の中で・・・・・

夜は Carrera SJ のフレットのやり直しをしました。しかしここまできて引き返すのはいややなあ。山登りでも引き返す勇気っていうけど8合目で引き返すより5合目ぐらいで引き返したいなあ。だって疲れるだけだもん。今回のフレットやり直しは頂上まで50メートルってところかなあ?

これじゃ解らんで、↑こんなかんじで反っています。ってこれじゃよくわかりませんね。

ハメ撮り状態↑これならわかりますね。
さてどうするのかというと、指板を削るのではなくフレットを入れ替えるのです。僕が使っているフレットは通常指板上に見えている部分は普通なのですがタングと呼ばれる指板の溝に打ち込まれている部分にちょっとした工夫がなされています。0.47mmから0.68mmまで0.03mm刻みにタングの厚みの異なるフレットを備えているのです。元々はマーチンがこのようなフレットを販売していたのでそれを使っていたのですが今では出してくれなくなったので特注でつくりました。これを使うとどうなるかというと、ある一定の溝に対して厚みの異なる物が入るので溝の内壁を押す力加減が変わってくるのです。

入れ替えてみました。

これでは弾けん色が付いていますがこれは何ミリのフレットが入っているか見分けがつくようにしているのです。ちなみに黄色が0.56mmで緑色が0.59mmです。しかしこれではまだ反りがきついようで…。

太いの挿入写真が解りにくくなってしまいましたが、0.62mmから0.68mmを使って入れ直しました。

やれやれこれでうまくいきました。
仕上げはあしたやろうっと。

文章を書くのが苦手な僕は作業時間よりも書き込みに要した時間の方が長かった。
寝っ!

今日は風邪です。

今日は全然進まんかったCarrera SJ がほとんど仕上げまでいったところですが、ネックの反りがおおきすぎるようです。うちのベータチタン製のトラスロッドは効きも強力で締めれば直る範囲ですが、新品からそれじゃ余裕がないのでフレットを入れ替えて直さなければ。あー。ここまでフレット磨く前に入れ替えの判断しとくんだったー。今現在はタング幅0.5mmのフレットが入ってますが多分0.56mmの物に替えればうまくいくと思います。
何のことやらよく解らんかもしれませんね。

業務連絡 うちの指板には大抵は0.53mmが合う感じやで。

Carrera O 試作中その2

Carrera O 試作中その2今日はバックを接着して大体の姿が現れました。一寸カッタウェイが深かった様なこのぐらいで良い様な・・って、どっちやねん。
それにしてもえらく軽いです。今回サイドのラミネートをしていないのも一因ですが。何かパーツを忘れたかなあ?
そういえば先のヒルズバーグ・ギター・フェスでお客さんにギターの重量が軽くできているね。と言われて「日本からギターを送る送料を安上げるために軽く作ったのです。」と言ったらとてもウケた。自分が世界に通用した!と思った瞬間であった。

Carrera O 試作中

OOOもつくってますよオーダーいただいている分も製作しながら並行して色んな事が少しずつ進行中です。これはCarrera Osizeです。これまでのカレラシリーズはラウンドカッタウェイですが、これは尖っています。ブレーシングの削り方もちょっと考える事があって最近は以前と変わってきています。見た目は普通の削り方なので、他人には「何が変わったの?」と思われそうですが「なぜこの様にするに至ったのか?」考え方が変わってきたのです。確信が持てるようになったらまた熱く語ってしまうことでしょう。

閉店セール

ホームセンター立山が改装のため閉店セールだと聞いて行ってきたが今日は閉店時間も早くて間に合わなかった。残念。近くに幾つもホームセンターがあるにも関わらず車で30分以上かかるこの店によく通っていた。他にはちょっと無い物が置いてあったのが気に入っていたのだ。言い換えればあまり売れなそうな物を扱っていたのだが、それがたたって業績が悪かったらしく数ヶ月前に大手チェーン店に買収されてしまった。今後仕入れも統合していくというニュースも新聞で知った。と言うことは僕にとって良かった点が失われていくということだ。

ネットオークション行き写真はそのお店で買ってみたが使えなかった品だ。「なんだ、ダメやんか!」 いやいやそうではない。仕事なんて試行錯誤の連続だ。今ではネットの力もあってギター製作の専用工具なんかも何でも揃うがそれで完結するわけではない。より良い方法、を模索して知恵を絞ろうとするのだけど、いままでやってきた事を振り返ると使えなかったのオンパレードなのだ、そして死蔵品がたまる一方なのだ。でもこれこそがここまでやってきた証だからこれでいいのだ。製作家仲間で「こんなにも使えなかった物に投資しちゃった」自慢で話が盛り上がる。みんなよくやってんなあ。ギター製作家が揃ってフリーマーケットでもやったらかなりの品揃えになりそうだが、マニアックすぎるかなあ?