アコースティックギター製作家 杉田健司とそのスタッフによるギター製作やリペア作業の様子を紹介

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インレイ

月と太陽ちょっと前になりますが、トラスロッドカバーにインレイを!というリクエストでこんなインレイを入れてみました。といってもこれは自分でやったのではなく小川インレイクラフトさんに依頼したものです。彼はお隣の新潟県に住んでいて昨年11月には工房にお邪魔して色々話もしてきました。その時小川氏の話のなかでインレイ専門でやっていこうと決めた当初どこかの楽器店の人に「そんなもん、インレイだけでやってける訳ないだろ!」と言われたそうだ。僕からみればその人はなんと鈍いのだろう。小川氏がそんなことを考え始めたのは年齢からするとここ10年以内の話だ。既に海外ではインレイで名を上げている人達もいたし僕たち日本のギター製作家もそんな人を求めていた。正に現れるべくして現れた人だと思う。他のギター製作家、楽器店も注目しているし、また彼の他にもインレイを生業としている作家の話も聞く。ようやくそんな環境になってきたかと思う。

また、一昔前まではギター製作家というものは一人の人間がすべての作業を行なうものだ、優れた作家がすべてをこなすから優れた作品になる。・・・・らしい。知らんけど。  僕には全く理解できない話だ。この世に全知全能の人がいるのだろうか?少なくとも僕は良い製品とは何か?ということを追求したいと活動している普通の人間だ。師匠に学んだことを基にギターを作ってきたのであって、それを無くして此処には至らなかった。そして今の僕の工房の技術を受け継ぎ発展させようとするメンバーがいる。皆それぞれに得意な事、足らない所がありながらも補いあって、結果自信もって世に出せる楽器を生み出しているつもりだ。

今、工房ではスギクラフトブランドでのニューモデルに取り組んでいる。デザインはまたグラフィックデザイナーの藤尾しんじ氏と組んでいる。この事もまたお互い一人では成せない事だと思う。デザインについて追求している者と木工作について追求している者が集まってより良い反応が起これば新しい‘何か’ができる・・・かもしれない。え!自信無いのか!? いやいやそうじゃない。より良い反応というのが重要で難しいところなのだ。ただデザインがあがるのを待ってその通りに作れば良いのでは無い。お互いが物凄く命を燃やすというか感じあってひとりではありえなかったハーモニーを生み出すことに意味がある。

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インレイのお願いをした松浦です。
Carreraに本当にマッチしたデザインで最高に気に入ってます!
Blogに載せてもらって、ちょっと嬉しいです(^^
写真では分かりづらいですが、本当に丁寧に作られていますよね。
この場をお借りして小川さんにお礼を申し上げます。ありがとうございました。私の一生の友人であるCarreraDも喜んでいます。

杉田さんも、本来は製作家としての意に反するようなお願いを聞き入れていただきありがとうございました。
家出した杉田トカゲさんも、ちゃんとお家に帰ってきましたし、めでたしめでたしです。
しかし、相変わらず正に”プロフェッショナル”という完璧なお仕事には敬服いたします。感謝、感謝です。
今後ともよろしくお願いいたしますね!

追伸
新作を発表されるということで、おめでとうございます!
いやぁ楽しみですねぇ
私もまた貯金せねば…って無理かなぁ うう…当たれ宝くじ

松浦さま。
トカゲは再生するのだ!
インレイの件は今回のように考えを練り上げて作ることができたので、僕もおそらく小川氏も大変満足しています。これは製作家としての意に反することではないです。
かなり出来が良かったのにもっとちゃんと写真撮っておかなかったことにちょっと後悔してます。

松浦様
杉田様
新潟でインレイをしております、小川です。
松浦様、インレイロッドカバー満足頂けたようで
ほっとしています。
ウチのホームページにも載せても良いでしょうか?

小川さん
写真、こんなんしか撮ってなかったー。弦も張ってないし背景も・・・ちゃんと仕事の記録残しておかなければいかんなあ。

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